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2021年01月18日

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代襲相続による相続トラブル

 遺産相続は法律によって相続人になれる優先順位が決まっています。遺言書を残さず亡くなった場合、遺産相続の第1順位は子供になり、第2順位は父母など被相続人の上の世代、第3順位が兄弟姉妹となります。また、配偶者には順位がありませんが、法定相続人として常に相続人になれます。

 被相続人に子供がおらず、父母といった上の世代も既に他界していると、被相続人の兄弟姉妹が遺産を相続することになります。しかし、兄弟姉妹も亡くなっている場合もあります。そのときは、被相続人の兄弟姉妹の子供に遺産を相続する権利が与えられます。このように死亡している親に代わって子供が遺産を相続することを「代襲相続」といいます。

 遺産相続にトラブルはつきものですが、代襲相続ならではの問題もあります。たとえば、子供のいない夫婦の片方が亡くなって、遺産相続の第1順位から第3順位もいなくて代襲相続が発生すると、被相続人の配偶者と甥姪が遺産を相続します。ところが、その甥姪と被相続人の面識がまったくない場合もあります。甥姪からすれば、遺産の話など寝耳に水です。被相続人の遺産を整理するためには遺産分割協議が必要ですが、これが一番の問題です。

 遺産分割協議は、相続人全員で行わなければいけません。誰か一人でも欠けると、その結果は無効になってしまいます。そのため、被相続人の配偶者は甥姪に連絡して遺産分割協議に参加してもらうようお願いする必要があります。ですが付き合いがない場合、甥姪からするとまったく知らない人から遺産の話を聞かされるわけです。甥姪は、遺産の話など関係ないと思うか悪くすれば詐欺か何かと不審に思い連絡を拒絶することもあります。そうなると遺産分割協議の場を設けられずに家庭裁判所に調停や審判を申し立てることになり遺産相続が煩雑化します。

 また、甥姪が遺産分割協議に素直に応じても問題が出てくる場合があります。被相続人と面識のない甥姪は、その家族の事情を知らないため、相続手続きで法律で定められた相続分を正確にもらおうとします。法律に則った権利を主張することは何の問題でもありませんが、遺産が分割困難である不動産になると甥姪の希望を満たすことは難しくなります。代償分割として相続分の金銭を甥姪に支払うことができれば問題は解決しますが、それができなければ遺産分割協議は行き詰まり長期化する恐れがあります。


相続トラブルを避けるために

 先述のようなトラブルを避けるための一番の対策が遺言書を作成することです。相続人が兄弟姉妹になると、相続人の最低限の相続を保証する遺留分はありません。これは代襲相続をする甥姪も同様です。そのため、遺言書で配偶者にすべてを相続させる内容を書いても問題ありません。
 
 遺言書は書き方に決まりがあり、書くことを手間と感じる人もいると思いますが、遺言書は自分のためではなく残された人のために書くものです。子供のいない夫婦は、甥姪との間で遺産相続が紛糾する可能性があります。配偶者が相続トラブルに巻き込まれないためにも遺言書を残すことで対策をしましょう。

 

 

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